筋トレは週に何回がよい?筋肉をつける頻度の考え方

運営者:りっぽうたい(柔道整復師・介護福祉士/東京で整骨院を開業)|プロフィール

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「筋トレは週何回やればいいの?」「毎日やらないと意味がない?」——筋トレを始めようとして、まず迷うのが頻度です。

この記事では、トレーニングの頻度と筋肉の増え方についての統合解析を整理し、40〜50代の方が、現実的に続けやすい考え方を探ります。

「週2回」が基準とされてきた理由

筋トレの頻度と筋肥大(筋肉が大きくなること)の関係を調べた、系統的レビューとメタ解析があります(Schoenfeld et al., 2016, Sports Medicine)。同じ筋肉を週に何日トレーニングするかを、直接比較した10件の研究を統合したものです。

頻度の高い群のほうが、低い群より筋肥大の効果量が大きく(0.49対0.30、p=0.002)、トレーニングの総量(ボリューム)を揃えて比べた場合、週2回のトレーニングは、週1回より筋肥大に優れていました。そこから、主要な筋肉は、少なくとも週2回はトレーニングするとよい、と推測されています。週3回が週2回より優れるかどうかは、この解析では分かっていません。

その後の研究では、「頻度そのもの」の差は小さいとされた

同じ研究グループによる、より新しい解析(Schoenfeld et al., 2019, Journal of Sports Sciences)では、25件の研究が対象になりました。トレーニングの総量を揃えて比べると、頻度が高い群と低い群の間に、有意な差は見られませんでした。

総量を揃えていない研究だけをまとめた解析では、高い頻度のほうが有利という結果でしたが、週1回と週3回以上の差の大きさは「わずか」でした。著者らは、総量を揃えるなら、頻度が筋肥大に有意で意味のある影響を与えるという強い根拠はなく、週に何回にするかは本人の好みで選んでよい、と結論づけています。

この2つの解析は、一見すると矛盾しているようですが、「頻度を増やすと、1週間にこなせる総量も増える」という側面があると整理できます。重要なのは、頻度そのものより、1週間のトレーニングの総量を確保できているか、という点です。

筋トレの頻度、「週2回」を軸に、総量と継続を重視
筋トレの頻度、「週2回」を軸に、総量と継続を重視

頻度より影響が大きいかもしれない要因:「総量」と「重さ」

1週間のセット数が、筋肉の増え方を左右する

15件の研究・34の治療群を対象に、1週間あたりのトレーニングの総量(セット数)と、筋肉の増え方の関係を調べたメタ解析があります(Schoenfeld et al., 2017, Journal of Sports Sciences)。

その結果、週あたりのセット数が増えるほど、筋肉の増加も大きくなる、という段階的な関係が示されました。1セット増えるごとに、筋肉の増加率が約0.37%高まり、セット数が多い群と少ない群との差は、3.9%でした。ただし、1つの筋肉あたりの週のセット数を「5未満・5〜9・10以上」の3段階に分けて比べた場合は、有意な傾向にとどまっています(p=0.074)。

先に見た頻度の話と合わせると、頻度は「1週間のセット数を確保するための、分け方の一つ」と捉えられます。たとえば、週に1回で全セットをこなすのは、1回あたりの負担が大きくなりやすく、週2回に分けるほうが、同じ総量でもこなしやすくなる、といった実務的な違いが生じます。

重い重量でないと、筋肉はつかないのか

「筋肉をつけるには、重い重量を扱わなければならない」と考える方も多いと思います。これを調べた、21件の研究を統合したメタ解析があります(Schoenfeld et al., 2017, Journal of Strength and Conditioning Research)。低負荷(最大挙上重量の60%以下)と高負荷(60%超)のトレーニングを、いずれも限界まで行って比べたものです。

筋肉の増え方(筋肥大)は、低負荷でも高負荷でも、同程度でした。一方で、最大筋力(1RM)の向上は、高負荷のほうが有意に大きい結果でした。著者らは、最大筋力を高めたいなら重い負荷、筋肥大が目的であれば、幅広い負荷の範囲で同じように達成できる、とまとめています。

ここで注意したいのは、この研究のすべての条件が、「限界まで」セットを行っていた点です。軽い負荷でも、十分に追い込めば筋肥大が得られるという意味で、軽い重量で「何となく」行うだけで同じ結果になる、という意味ではありません。限界まで追い込むことは、フォームの乱れや痛みのリスクも伴うため、初心者の方は、無理のない範囲から始めてください。

1セットでも意味はあるのか:「最低限」と「十分」の間

「時間がないので、1つの運動を1セットだけ」という方も多いと思います。1セットと複数セットを比べた、メタ解析があります(Krieger, 2010, Journal of Strength and Conditioning Research)。8件の研究(19の治療群)を統合し、筋肥大に関する効果量を比べています。

複数セットのほうが、1セットより効果量が大きく、1セットを基準にすると、複数セットは筋肥大に関する効果量が約40%大きいという結果でした。セット数ごとの効果量は、1セットで0.24、2〜3セットで0.34、4〜6セットで0.44と、セット数が増えるほど大きくなる傾向がありました。一方で、2〜3セットと4〜6セットの間には、有意な差が見られませんでした。

つまり、1セットでも筋肉は増える(効果量0.24)一方で、2〜3セットのほうが効果が大きく、それ以上増やしても、上乗せは限定的、と整理できます。時間が限られている場合は、まず1セットから始め、慣れてきたら2〜3セットに増やす、という考え方が現実的です。

高齢者を対象にした解析では、どうなっているか

健康な高齢者を対象にしたランダム化比較試験を整理した、メタ解析があります(Borde et al., 2015, Sports Medicine)。筋力トレーニングは、筋力を大きく向上させ(標準化平均差 1.57、25研究)、筋肉の形態(断面積・体積・厚み)への影響は小さいものでした(同 0.42、9研究)。

筋力の向上について、条件ごとに最も効果が大きかったのは、頻度が週2回、1つの運動あたり2〜3セット、1セットあたり7〜9回、運動強度が最大挙上重量(1RM)の70〜79%、トレーニング期間が長い(50〜53週)、というものでした。筋肉の形態については、週3回、強度51〜69%1RMなどが、最も効果的でした。

ただし、含まれた研究の質は低く(PEDroスコア平均4.6点)、研究間のばらつきも大きかった(I²=80%)ため、著者ら自身が、結果は予備的なものだとしています。また、対象は「健康な高齢者」であり、40〜50代にそのまま当てはまるとは限りません。

更年期以降の女性で、「続けること」がもつ意味

更年期前後は、筋肉量が減りやすい時期でもあります。更年期の体型変化の記事で紹介した試験(Flores et al., 2022)では、閉経後の女性が1年間、荷重・レジスタンス運動を行った群で、除脂肪量が0.43kg増え、対照群の0.15kg減と有意な差がありました。一方で、運動の実施率は64%にとどまっています。

週に何回が最適かという問いより、現実には、「続けられる頻度を、いかに維持するか」のほうが、大きな課題だといえます。

筋トレと健康:週30〜60分あたりに、リスク低下の山がある

筋トレは、筋肉を増やすためだけのものではありません。筋力強化の活動と、病気や死亡のリスクの関係を調べた、16件の前向きコホート研究を統合したメタ解析があります(Momma et al., 2022, British Journal of Sports Medicine)。有酸素運動とは独立した影響を調べています。

筋力強化の活動は、全死亡、心血管疾患、がん全体、糖尿病、肺がんのリスクの10〜17%の低下と関連していました。全死亡、心血管疾患、がん全体では、リスクの低下が最大(約10〜20%)になるのは週30〜60分あたりで、それ以上増やしても、リスクがさらに下がるとは限らない「J字型」の関係でした。糖尿病については、週60分まででリスクが大きく下がる「L字型」でした。有酸素運動と筋力強化を併用した場合に、全死亡・心血管疾患・がんによる死亡のリスクが最も低くなっています。

世界保健機関(WHO)の2020年の身体活動ガイドラインでも、すべての年齢層に、定期的な筋力強化の活動が推奨されています(Bull et al., 2020, British Journal of Sports Medicine)。成人には、週150〜300分の中強度の有酸素運動(または75〜150分の高強度)とあわせて行うことが示されています。

このメタ解析は観察研究が中心で、「筋トレをしている人は元々健康である」可能性も否定できません。それでも、週30〜60分といった、現実的に続けられる量で、健康面の恩恵が見られる点は、筋トレを始めるうえでの励みになります。

現実的な組み立て方

これまでの研究から導かれる目安は、次のようになります。個人差が大きいため、あくまで参考値としてお考えください。

  • 全身の主要な筋肉(脚・お尻・背中・胸・肩など)を、週2回を目安にトレーニングする
  • 1つの運動あたり2〜3セット、1セットは7〜9回前後を目安にする
  • 筋肉の回復のため、同じ筋肉を連日トレーニングせず、1日以上あける
  • 週2回が難しければ、週1回でも、続けることを優先する
  • 関節や腰に痛みが出る場合は、フォームや重さを見直し、必要なら専門家に相談する

まとめ:週に何回かより、総量と継続

筋トレの頻度については、「少なくとも週2回」という目安が示された解析がある一方、トレーニングの総量を揃えれば、頻度そのものの影響は小さいとする解析もあります。高齢者を対象にした解析でも、筋力向上には週2回・2〜3セットという条件が最も効果的でした。

一方で、閉経後の女性の試験では、運動の実施率が64%にとどまっていたように、続けることそのものが課題です。週に何回かで悩みすぎるより、無理なく続けられる頻度を選び、1週間のトレーニングの総量を確保することを意識するのが、現実的だと考えています。

あわせて、1セットでも筋肉は増えるが、2〜3セットのほうが効果が大きいこと、筋トレは週30〜60分あたりで、死亡や心血管疾患などのリスクが最も低くなる傾向があることも、研究から示されています。まずは1セットからでも、週に30分程度の筋トレを習慣にすることが、現実的な入り口だと考えられます。

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参考文献

  • Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. (2016). Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med, 46(11), 1689-1697. DOI: 10.1007/s40279-016-0543-8
  • Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. (2019). How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency. J Sports Sci, 37(11), 1286-1295. DOI: 10.1080/02640414.2018.1555906
  • Borde R, Hortobágyi T, Granacher U. (2015). Dose-Response Relationships of Resistance Training in Healthy Old Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med, 45(12), 1693-1720. DOI: 10.1007/s40279-015-0385-9
  • Flores LE, Kupzyk K, Waltman N, Beavers KM, Bilek L. (2022). Risedronate or Exercise for Lean Mass Preservation During Menopause: Secondary Analysis of a Randomized Controlled Trial. JCSM Rapid Commun, 5(2), 154-161. DOI: 10.1002/rco2.59
  • Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. (2017). Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: A systematic review and meta-analysis. J Sports Sci, 35(11), 1073-1082. DOI: 10.1080/02640414.2016.1210197
  • Schoenfeld BJ, Grgic J, Ogborn D, Krieger JW. (2017). Strength and Hypertrophy Adaptations Between Low- vs. High-Load Resistance Training: A Systematic Review and Meta-analysis. J Strength Cond Res, 31(12), 3508-3523. DOI: 10.1519/JSC.0000000000002200
  • Krieger JW. (2010). Single vs. multiple sets of resistance exercise for muscle hypertrophy: a meta-analysis. J Strength Cond Res, 24(4), 1150-1159. DOI: 10.1519/JSC.0b013e3181d4d436
  • Momma H, Kawakami R, Honda T, Sawada SS. (2022). Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br J Sports Med, 56(13), 755-763. DOI: 10.1136/bjsports-2021-105061
  • Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. (2020). World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med, 54(24), 1451-1462. DOI: 10.1136/bjsports-2020-102955

この記事を書いた人

りっぽうたい|柔道整復師・介護福祉士。東京で整骨院を開業し、姿勢・骨格の悩みを抱える多くの女性の施術に携わっています。身体の仕組みから見た姿勢・骨格・コンディショニングの情報を発信しています。プロフィールを見る

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